投稿

9月, 2019の投稿を表示しています

次々に変わる人格に不気味な街――見逃せないサイコホラー「敗者の街 ― Requiem to the past ―」

イメージ
画像: 敗者の街 ― Requiem to the past ―|ノベルアップ この小説を読んで、正気のままでいられますか? 序盤は混乱するかも……? というのも、主人公や周囲の人、ガッチガチに憑依されたりして人格がポロポロ入れ替わります。私が読んだところではだいぶコントロールできているようですが、序盤は100%乗っ取られてますよねこれ(違う?) メル友からのメールを元に、曰くありげな街に潜入捜査をし始める兄弟ですが、その行き先の街が変なのです。人によって見え方が違ったり、自分には見えるのに誰かには見えない人がいたり…… 〝変な街〟の正体は、今のところ 「負の感情が集まった街」 としか言及されていません。自分を強く持たないと自我が汚染されていく、というような描写もありただ事ではないというのがわかっていただけたでしょうか? 幽霊の首ポロ? ローランドという、呼べばでてくる系の幽霊、この人にはとても謎が多い。死んだにもかかわらず自分が死んだことをわかっていない幽霊です。 列車事故で死んだらしく 唐突に胴体を落とすことがあります 。そういうの苦手な人は注意が必要ですね。ただ、この人の過去が謎の街「敗者の街」とそこに潜入したロバートの「いわく」を解き明かす手がかりになると踏んでいます。 年下の弟に優しく気配りをかかさずいつも笑っており、そんな人の心の闇とは、いつから彼は〝壊れた〟のか……それは読んでからのお楽しみとして! みどころ この世の存在なのかすら怪しい「敗者の街」ですが、そこに住む登場人物がバリエーション豊かで面白いです。 両性具有の男性レヴィ、ファンが自殺する絵を描くSangことカミーユ、そして彼の手に憑りつく幽霊たち、片腕の警官アドルフなど、誰もが特徴的で、どこかちょっと怖い。 そしてなにより、メールには「RとAが名前につく人間には注意しろ」とあったり…… 精神をおかしくする街で、誰を味方にし誰と距離を置くかも物語に関わってきそうです 「ページをめくる手がとまらない!」ではない、 何度もページを戻して「兆候」や「ヒント」を探したくなる一作 です。 最後まで読み次第またレビューしたいと思います\\٩( 'ω' )و /// サ

現代×アポカリプス×魔法少女「魔法少女はそこにいる。」

イメージ
画像: 魔法少女はそこにいる。|アルファポリス かわいい魔法少女たちの群像劇に酔え ――といいつつガチのバトル要素もあります とかく様々な面から心をくすぐってくるこの小説。舞台は現代日本ですが、魔法界から魔法少女が次々にやってきます。そして突然戦争をおっぱじめるのです。 作者の五月七日ヤマネコさんご自身が描かれた主要キャラ「キルカ」が上に挙げた表紙に見ることができますが、なんでこんなかわいい子の服の半分に血がべったりついてるんだ……となる人も多いはず。その謎は現在作中では「一族に掛けられた呪い」としか説明されておらず真相が気になるところ。更新が待てませんっ 20歳未満の女の子たちが突然異世界からやってきて目の前で魔法を振るうのですが主人公の男の子はただの高校生。一体どうなるのか! 魔法少女が魔力を失う「魔力上がり」を避けることができる唯一の手段が「天子」と呼ばれる 魔力を持つレアな人間 と契りを交わすことだと力説され、それが自分であると言われる主人公。何が何だかわからないままに魔法少女たちの婿取り合い合戦に巻き込まれ意図せずハーレム状態。 そんななか魔法少女たちにそっくりな一群が人間側に攻撃を加えてきます。魔法少女は突然の外敵の出現に団結して”偽物”を叩こうとするのですが、どうやら”偽物”と本物のどちらかが敗れるともう片方が卒倒するらしい。どういうことだ!?何が目的だ!? 「魔法少女に良き死を、我々に良き死を」 というスローガンを掲げる”偽物”たちの存在が不気味です。ページをめくる手がとまりません。 悪役がいない群像劇 では偽物が悪なのかと言われるとそうでもありません。そもそも偽物たちは魔法少女たちが住む魔法界とは違う世界に住み、彼女ら自身の生活を送ってきました。 魔法少女たちと姿形がそっくりで名前も似ている彼女らは、彼女らの住む世界が作られた真相をある男から聞かされ、「オリジナル」と呼ばれる魔法少女たちとの戦いを決意します。 とある魔女が愛する人の死に悲しんで、死んだその人の 魂を育てる ために作った偽の世界。作中ではフラスコと呼ばれますが、それが彼女らの住んでた世界だったのです。 魔女の愛する人が死ぬ18歳までの時間をループし続け