次々に変わる人格に不気味な街――見逃せないサイコホラー「敗者の街 ― Requiem to the past ―」
画像:敗者の街 ― Requiem to the past ―|ノベルアップ
この小説を読んで、正気のままでいられますか?
序盤は混乱するかも……?
というのも、主人公や周囲の人、ガッチガチに憑依されたりして人格がポロポロ入れ替わります。私が読んだところではだいぶコントロールできているようですが、序盤は100%乗っ取られてますよねこれ(違う?)
メル友からのメールを元に、曰くありげな街に潜入捜査をし始める兄弟ですが、その行き先の街が変なのです。人によって見え方が違ったり、自分には見えるのに誰かには見えない人がいたり……
〝変な街〟の正体は、今のところ「負の感情が集まった街」としか言及されていません。自分を強く持たないと自我が汚染されていく、というような描写もありただ事ではないというのがわかっていただけたでしょうか?
幽霊の首ポロ?
ローランドという、呼べばでてくる系の幽霊、この人にはとても謎が多い。死んだにもかかわらず自分が死んだことをわかっていない幽霊です。
列車事故で死んだらしく唐突に胴体を落とすことがあります。そういうの苦手な人は注意が必要ですね。ただ、この人の過去が謎の街「敗者の街」とそこに潜入したロバートの「いわく」を解き明かす手がかりになると踏んでいます。
年下の弟に優しく気配りをかかさずいつも笑っており、そんな人の心の闇とは、いつから彼は〝壊れた〟のか……それは読んでからのお楽しみとして!
みどころ
この世の存在なのかすら怪しい「敗者の街」ですが、そこに住む登場人物がバリエーション豊かで面白いです。両性具有の男性レヴィ、ファンが自殺する絵を描くSangことカミーユ、そして彼の手に憑りつく幽霊たち、片腕の警官アドルフなど、誰もが特徴的で、どこかちょっと怖い。
そしてなにより、メールには「RとAが名前につく人間には注意しろ」とあったり……
精神をおかしくする街で、誰を味方にし誰と距離を置くかも物語に関わってきそうです
「ページをめくる手がとまらない!」ではない、何度もページを戻して「兆候」や「ヒント」を探したくなる一作です。
最後まで読み次第またレビューしたいと思います\\٩( 'ω' )و ///
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