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ーー人間しか愛せないーー神の言葉の真意に震えろ「狐王は龍の娘を離さない―玉翠国物語―【完結】」

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画像: 狐王は龍の娘を離さない―玉翠国物語―【完結】 愛を知らない神を癒したのは、災いをもたらすという 驪竜 ( りりょう ) だった―― 本ブログで三回目の特集になります、城月りりあ先生のウェブ小説です 今までのポストはこちら↓ 耽美な束縛愛に身を投げろ「愛に飼われて 騎士団長と奴隷姫」 美しい神と生贄の少女の物語「龍の神に捧げられた私―碧禮国物語―」 題名は「 狐王は龍の娘を離さない―玉翠国物語―【完結】 」 美しい世界観と流麗な文章が魅力の「りゅうかみシリーズ」の第2編、第1編に相当する 「龍の神に捧げられた私―碧禮国物語―」 よりも、少し時代が下った時期の話になり、ネタバレには注意してください(今作だけでも十分たのしめます) まずは第1編の世界観のおさらいです! 科学が進みすぎたことにより世界の大半を人類は破壊してしまい、神に供物をささげることで加護を得るという古代さながらの生活を人類が強いられてしまう、もしかしたらあるかもしれない未来が舞台になっています。 前作は供物として捧げられた女の子と龍神のお話でしたが、今回は 狐王の白葉と龍神 驪珀 ( りはく ) の娘である 驪明 ( れいめい ) が主人公 になっています。 四つに分かたれた神の世界のうちの一つを治める王であった白葉は、隣国から黒い髪の龍神・ 驪明が来るのを楽しみにしていました。口を開く度に白葉に結婚を迫るも、あっさりと白葉は撃沈させてしまいます。それでもどこか居心地がよく、姪っ子と叔父さんみたいな距離感で頻繁に会う二人。 一途な 驪明が片思いから脱することができずコロコロと白葉の手のひらで転がされる物語かと思いきや……。 白葉がふとした隙にみせる底なしの暗い目が読者としては気になるところ 。 一方驪明は災いをもたらすとされる驪竜として、どこか後ろ指をさされるような生活を抱えています。そんな驪明は、白葉のとある秘密を知ってしまい……? 白葉と驪明の間には様々な苦難が横たわり、とうとう驪明は驪竜として覚醒してしまいます(色々すっ飛ばしましたが読んで確かめて!) 二人の愛は苦難を乗り越えられるのか?はたまた二人はどうなってしまうのか?それももちろ

初心者にもわかりやすいプログラミングの教科書「やさしいC」

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画像: アマゾン 手取り足取り教えてくれる感覚 今回ご紹介するのは、プログラミング言語であるCを優しく教えてくれる本です その名も「 やさしいC 」 そもそも私がプログラミングを勉強しようと思い立ったのが、「理系だしちょっとやっといた方がカッコいいかなあ……」程度のかる~い動機ででした。 Progateやドットインストールなどの無料でプログラミングが学べるサイトなどに登録してちょいちょいやってましたが、やはりそのサイトも非営利でやってるわけではありませんから大事なところは有料(課金制?)なわけです。 いつもあと一歩突き詰めることができずにもやもやしておりました。課金すればいいじゃないかと思われるでしょうが、そこまで本気なわけでもなかったのです。 そこで、大学の図書館に購入希望を出しやっと手に取った初めてのプログラミング参考書が、これだったわけです。なんというか、もやもやが晴れるようで読むのが楽しかったです。 初心者に優しい構成で「まずは書いてみよう!」というスタンスで進むので「そういうもんなのか」と思いながら読むと苦ではないと思います。そして最初は暗記したものが後になって理論の裏付けを得たりします。その過程が面白かったり。 アマゾンのレビューを見る限りあくまで初心者用の参考書であり、これだけで何か商品が作れるわけではないそうなのですが、入門書としてはなかなかいい本なのではないかと思いました。なんかCにもいっぱいあるみたいなので(C++とか?)同じシリーズの他の言語の本も読んでみたいと思います。 サイト訪問者の皆さまへ ブログランキング参加中です。下のリンクをぽちっと投票お願いします(๑•̀ㅁ•́ฅ✧ 人気ブログランキング にほんブログ村

カメラマンと被写体のサディスティックな束縛愛「私は彼の所有物」

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作品ページ: 私は彼の所有物 リアルな筆致でアンリアルを描く天才 今回ご紹介するのは、エブリスタで投稿されている 「私は彼の所有物」 という小説です。 例に漏れず、かつての私の書いたレビューを掲載します。(春瀬由衣の前の前のペンネームは”たぬき”でしたw) 遅くなりました、この度はイベントに参加くださりありがとうございます。 リアル、がテーマのイベントでしたが、この作品は女性をただの被写体としてしか見ていないような写真家と、被写体であり続けるために理不尽に耐える女性の奇妙な関係を、その奇妙さにも関わらず説得力ある文章で綴ってあります。 私自身はこのような恋愛はやりたくはないのですが、しかし「その感覚、わかるなあ」と唸らされる場面も多くありました。 被写体であり続けることでしか想い人の側に居られないという女性側の悲壮な決意が報われることを願わずにはいられません。(バッドエンドならすみません) たぬき 初めてこの作品の作者の筆に触れたきっかけになったのは、小説投稿サイトエブリスタ内でのユーザーイベントだったように思います。レビューにあるように、 「リアル」をテーマ にした作品を募集し、集まった作品のうちの1つが「私は彼の所有物」だったのでしょう。 この作品は、インスタグラムを用い有名になった藤井ケイという若手写真家と、彼があくまで被写体として寵愛する専属(?)モデルのお話。彼が撮るのはいつも顔を映さない同一人物の裸体の写真だけ。主人公には「お前の裸を美しく撮れるのは自分だけ」と豪語し、モデルの名前を一切公表せず巷の話題をかっさらいます。 なんという❝普通じゃない❞物語なんだと息を飲まれた人もいるかもしれませんが、ちょっと待った。アンリアルを、リアルな筆致で書いた小説と言ったことをお忘れでしょうか? 昼ご飯はおにぎり一個で収めなきゃいけないほどのシビアな体重管理を要求し、人遣いが荒く、いい写真のためなら主人公を手荒に扱うことも辞さない男に、なぜ主人公はついていくのか。――それは❝割のいい仕事だから❞だけじゃありません。 惚れた弱み――主人公はそういいます。 主人公は、藤井ケイの写真と彼自身に惚れています 。 主人公の好きな人 ( 藤井ケイ ) は、あくまで裸体を撮るためのモ

美しい神と生贄の少女の物語「龍の神に捧げられた私―碧禮国物語―」

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画像: 龍の神に捧げられた私―碧禮国物語― 美しい世界観、もちろんストーリーにも魅力たっぷりの作品  今回ご紹介するのは、 こちら の記事で紹介した書籍化作家城月りりあ先生の初執筆作です。 題名は「 龍の神に捧げられた私―碧禮国物語― 」 まずは私の書いたレビューを紹介します。(当時私のペンネームは春瀬たぬきでしたw) まだ少ししか読んでないのですが、レビュー失礼します。 この物語は、歴史風ファンタジーと見せかけて 「未来」の話 であることがキーポイントであると感じます。 科学技術が発達しすぎて身を滅ぼし、古代の生活に逆戻りした人類……。E=mc^2から原子爆弾が生まれたように、人類は得た知見を破壊に使いがちです。軍事と科学はきっても切れない関係であり、どうしても発展の影には犠牲が存在します。 往々にして薄っぺらいファンタジーになりがちな世界観を、説得力あるものにしているのがこの「未来」の設定であると感じました。 その設定の妙の上に、さらに 風景が浮かぶ丁寧な描写 で、これは読み進めるのが楽しみです。 素敵な作品をありがとうございます。 春瀬たぬき かつての私も言う通り、この作品の第一の魅力は世界観にあります。 神に生贄を捧げその代わりに庇護を得るという、まるで古代さながらの生活様式を保たざるを得なくなった人類。しかしその舞台は、現代よりもずっと遠くの未来だといいます。 三つ目で大型の、現代には存在しないケモノが存在するなど、世界観はファンタジーです。しかし前述したように設定はSFというべきでしょうか。 そしてキャラクターもとても魅力的。人間嫌いの神である驪珀は、生贄と引き換えに担当する地区への庇護を与えていますが、生贄はケモノに食べられるのを眺めてそのまま帰ってくるなど、とても冷酷な性格をしています。そんな驪珀が、初めて❝お持ち帰り❞したのが主人公である漓朱でした。 人間嫌いを自他ともに認める驪珀が生贄の人間を持ち帰ったことに、彼の居城は大騒ぎ。 そして驪珀は、嫌いなはずの人間に心乱されることに戸惑い、自分の心にあえて背を向けるように漓朱を痛めつけ、あるいは急に優しくしたりします。 何者も信用しないという風な驪珀の言動に、非力な人間であるにもかかわらず同情して