手に汗握るアクション「悪党たちのエデン」



胸アツアクションと少年の成長譚


投稿者: 春瀬由衣 [2019年 10月 06日 15時 38分]

まず第一の見どころは、最初に提示される主人公に関する謎です。なぜ義理とはいえ家族に見殺しにされかけたのか、そして彼を匿うシークレットという存在。これらの謎は最終章に向かうにつれドンドン明らかになっていきます

次にアクションです。善良な市民に他ならなかった主人公が意図せず足を踏み入れてしまった裏の世界ですが、庇護者のシークレットは彼に護身術を叩き込みます。彼が徐々に裏の世界の人間として使い物になっていくのがいい。そしてシークレットの真意とそれを蹴った主人公.°(ಗдಗ。)°.

楽しませていただきました!おすすめです
小説家になろうほかで第一部が完結したところの「悪党たちのエデン」をご紹介します。上にあげたのは私自身が作品ページに投稿したレビューです。



小説リンクはこちらから!「悪党たちのエデン」
小説家になろうhttp://ncode.syosetu.com/n7970fs/
ノベルアップhttps://novelup.plus/story/331184553

冒頭に示される謎

私が神話に関する小説を書くための勉強に読ませてくれとツイッター上のハッシュタグを用いて作品を募集したときに、応募してくださったのが作者の紅玉さんでした。

読み始めてすぐに引き込まれるのは、主人公が否応なく巻き込まれている点でしょうか。卑劣な毒ガス事件の犯人として仕立て上げられ、しかもその犯人は死んでいる。自分と同じ歯形の偽物まで用意されて強制的に裏の世界にドロップアウトさせられた少年が今作の主人公です。

見たものをすべて記憶できる超記憶症候群というある種の「障害」を主人公は持っています。両親を失い義理の家族になじもうと勉学に励み賞まで獲得するも、健常者からすると「卑怯」ともとられてしまう能力のせいで――あるいはもともと疎まれていたのか、主人公は火災のなか見捨てられてしまいます。

そんななか、颯爽と現れて主人公を救う「シークレット」と名乗る女性、この人にもまた謎が多い(笑)

ヤクザに殺し屋に……

自称コンサルタントのシークレットに言われるがまま、リンゴと名を変えた主人公は様々な裏の世界に足を突っ込んでいきます。狂気を振りまく殺し屋との死闘やヤクザ同士の揉め事に巻き込まれ、リンゴはシークレットに言われるがまま護身術を覚えさせられます。

そのなかで、リンゴ自身の両親の死に関する情報にも触れていきます。そもそもシークレットは誰に依頼されてリンゴを救ったのか、シークレットは一体何者なのか、そしてシークレットとリンゴの思わぬ接点とは……!?

敵と味方が次々入れ替わり、と思ったら思わぬところに第三勢力の影が見えたり、ハラハラドキドキ飽きさせません。

ひょろっとした優等生にすぎなかったリンゴがやがてシークレットの片腕となるまで成長する成長譚としても、謎解きとしても、息を飲むアクションを楽しむもよし!二重三重の楽しみ方がある作品です!

ずばり、任侠ものが好きな人は好きそう(確信)



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