2019年8月20日火曜日

周囲の人間は敵だらけ!死んだはずの死刑囚は冤罪を晴らせるか!?「BUG 広域警察極秘捜査班」


画像:BUG 広域警察極秘捜査班 (新潮文庫nex)|Amazon

存在が秘匿される部署のメンバーは過去に傷がある

あらすじ


冤罪により死刑を言い渡され、10年にも及ぶ刑務所生活を強いられていた水城は、ハッカーとしての能力を買われ死から逃れることと引き換えにBUGという捜査班に加入します。盗聴や盗撮を生業とするBUGは、沖田と名を変えた元死刑囚・水城が起こしたとされた飛行機墜落事件の生存者の動向を探るよう命令されます。

外敵の侵入を阻むのではなく、内側から誰も逃げないように厳重な警備システムが施された「ハウス」のメンバーは訳ありげで、互いに干渉しない代わりに相互監視も担っています。現場の指揮官的存在である滝は、幼い息子と共に住んでいます。曰くありげでしょう?

BUGのメンバーとなった沖田にはGPSの入った足枷が嵌められ、行動をリアルタイムで把握される息の詰まる生活を強いられます。そんななかで、なんとか事件の真相を「生存者」から聞きだすべく相互監視の包囲網のなかで健闘する沖田だったが、プロファイリングと心理学に通じた滝に計画を見破られてしまう。沖田は無事に計画を完遂できるのか?

タイムリーな話題がふんだんに

たわいもない案件に過ぎなかったはずの任務から、自分にかけられた冤罪事件の真相に少しづつ迫っていく過程がスリリングでドキドキします。BUGのメンバーもBUGを指揮する上官も信用できず、仲間でさえ心のうちが読めないまま、沖田は冤罪事件を自らの手で解き明かすことを誓います。

一方飛行機墜落事件の生存者は小さな島国を拠点にした仮想通貨「Lex」の開発に携わっており、世界中が島国と開発者の動向を固唾を飲んで見守っています。情報をいち早く手に入れたい各国のハッカーからの攻撃にも晒されます。

投機目的の仮想通貨にはせず、通貨の価値を安定させて世界中を繋ぐ経済圏を作ろうという志は、従来の通貨で市場をコントロールしてきたいわゆる既得権益から煙たがられていきます。そしてこの仮想通貨は、沖田が冤罪をかけられた飛行機墜落事件にも関わっているようで……!?

ハッカーの物語なのにマンションのゴミを捜査するローテクな描写に物足りないという意見もAmazonレビューでありますが、むしろ私はリアリティがあっていいと思いました。違法捜査すれすれの捜査を行っていると思われるので、あまり人手を割けないんだなあって。人手不足の描写はあちこちに見られます。

警察官が「正義感ゆえに」誤認逮捕の容疑者を責め立ててしまう描写、仮想通貨の設定、その他もろもろ時勢に乗った「今だからこそ書ける物語」であると感じました。

近未来×警察な小説がお好きな方は今すぐにでもポチるべき作品です!!!!!

春瀬由衣

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