バディ小説大賞受賞の実力を見よ!「―空― 戦国あやかし恋華」
画像:ー空ー戦国あやかし恋華|Amazon
天台宗の僧侶と神獣の牛「塩竈」が、美しい少女に秘められた悲しい陰謀を暴く
キャラがたっており誰かを必ず好きになる
名高き神獣の子でありながら、神力で大きな仕事ができるわけでもなく、物に宿ったいわゆる「残留思念」のようなものを読みとることしかできないことを気に病むのは塩竈(しおがま)という名の牛である。
金槌ゆえ水の中を泳ぐことはできず、生に無頓着な相棒の僧侶:空穏(くおん)を心配するという役回り。
一方空穏はといえば、神獣を救ったことと引き換えに「病の根源が見える力」を授かり指圧で行く先々の病人を癒す旅人。般若心経の空即是色色即是空をよく引用し、人の人生をあってないような「空」であるとして自己犠牲をためらわない。
ここに書いたすべての要素が、クライマックスの感動に繋がるのは流石と言わざるをえません。ちなみに私は塩竈くん派です。
塩竈「ブモォ?」←起こしてしまったごめんね(笑)
予想外の黒幕とその動機が胸に迫る
湖に浮かぶ奇妙な怪異とそこから生まれた真っ白な少女を巡る謎を解き明かすというスタンスの本作、戦乱の時代ゆえの過酷な生活も描かれており、リアリティが胸に迫ります。
戦争などで夫を亡くした未亡人に慈悲を以て接する尼僧、患者の振りをして僧侶である空穏を誘惑する女、そのすべてが真相に深くかかわります。
主人公らに真摯に協力してきたあの人がまさか――!という衝撃、そしてその動機の切なさや。
怪異というものを扱う以上、王道の歴史小説とは言えないのでしょう。しかし、その分キャラ設定と物語で魅せてくるのは圧巻!子どもを持つ母親の皆さんは、恐らく主人公サイドと敵サイドの両方に感情移入してしまうのではないでしょうか。
和風ゆるふわファンタジー、しかしちょっぴりミステリ要素もあり。そんな枠にはまらない「バディ小説」を、ぜひご覧ください!!
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