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周囲の人間は敵だらけ!死んだはずの死刑囚は冤罪を晴らせるか!?「BUG 広域警察極秘捜査班」

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画像: BUG 広域警察極秘捜査班 (新潮文庫nex)|Amazon 存在が秘匿される部署のメンバーは過去に傷がある あらすじ 冤罪により死刑を言い渡され、10年にも及ぶ刑務所生活を強いられていた水城は、ハッカーとしての能力を買われ死から逃れることと引き換えにBUGという捜査班に加入します。盗聴や盗撮を生業とするBUGは、沖田と名を変えた元死刑囚・水城が起こしたとされた飛行機墜落事件の生存者の動向を探るよう命令されます。 外敵の侵入を阻むのではなく、内側から誰も逃げないように厳重な警備システムが施された「ハウス」のメンバーは訳ありげで、 互いに干渉しない代わりに相互監視も担っています 。現場の指揮官的存在である滝は、幼い息子と共に住んでいます。曰くありげでしょう? BUGのメンバーとなった沖田にはGPSの入った足枷が嵌められ、行動をリアルタイムで把握される息の詰まる生活を強いられます。そんななかで、なんとか事件の真相を「生存者」から聞きだすべく相互監視の包囲網のなかで健闘する沖田だったが、プロファイリングと心理学に通じた滝に計画を見破られてしまう。沖田は無事に計画を完遂できるのか? タイムリーな話題がふんだんに たわいもない案件に過ぎなかったはずの任務から、自分にかけられた冤罪事件の真相に少しづつ迫っていく過程がスリリングでドキドキします。BUGのメンバーもBUGを指揮する上官も信用できず、 仲間でさえ心のうちが読めないまま 、沖田は冤罪事件を自らの手で解き明かすことを誓います。 一方飛行機墜落事件の生存者は小さな島国を拠点にした仮想通貨「Lex」の開発に携わっており、世界中が島国と開発者の動向を固唾を飲んで見守っています。情報をいち早く手に入れたい各国のハッカーからの攻撃にも晒されます。 投機目的の仮想通貨にはせず、通貨の価値を安定させて世界中を繋ぐ経済圏を作ろうという志は、 従来の通貨で市場をコントロールしてきたいわゆる既得権益から煙たがられていきます。 そしてこの仮想通貨は、沖田が冤罪をかけられた飛行機墜落事件にも関わっているようで……!? ハッカーの物語なのにマンションのゴミを捜査するローテクな描写に物足りないという意見もAmazonレビューでありますが、むしろ私は...

情報過多の現代人必携の書「思考の整理学」

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画像: 思考の整理学|Amazon ”知る”ことだけに忙殺されないように 忘却の美学 ※本作は恐らく評論とかエッセイとかそういう分類にあるものと思われます。いつもの小説の紹介ではないのでご了承ください。 作中では作者はずっと、学校が「グライダー人間」の養成所であって自律飛行する「飛行機」は育成しないことに対し問題意識をもっているようです。 知識を多く持ち(記憶)、それを必要に応じて引き出せる(再生)が知的なことと長らく思われてきましたが、その能力はコンピュータに取って代わられつつあり、さらにその能力だけでは既存の知識で歯が立たない 「未知」に対してあまりにも脆弱 になってしまいます。 勉強はできるけど社会では役に立たない 、そんな学生はこれにあたります。 人間にしかできない領域が想像的な思考であり、本作はその手引書のようなものです。 作者は文中で度々「見つめる鍋は煮えない」ということわざを引用します。 切羽詰まってそれだけを考えていると事態はなかなか進まず、他のことをしていたりしてふと気がそれたときにこそ重要なアイデアは生まれると、自身の体験からも引用し述べています。 頭の中央に置きすぎず、少し横に置いておく。それで消えてしまうほどのことは大したアイデアではなく、残ったアイデアこそ大事にする。そんなことが書いてあったように思います。 「寝て起きたら問題が解決していた」偉大な先人たちに学び、睡眠により適度に忘れ整理された朝の時間が思索にとても有効だと言っています。 夜型の私には耳が痛い です。確かに夜ほど考えって迷宮入りしますし何も生み出さない傾向あります💦 忘れるためのメモと散歩 個人的に目から鱗だったのは、 忘れるためにメモをとる 、ということでした。 いいアイデアと思ったものをあえて置いておき熟成させることで、要らない贅肉を削ぎ、関連性から新しいアイデアを産み、より純化させていく。覚えるためにノートをとるよう教えられてきた学生としては真逆のことを言われているようです。 作中には作者の具体的なメモ術も述べられており、熟成の度合いによってノートを変え転記するほどのこだわりぶりが伺えます。(詳しいことは購入して確認してください笑) そして次に適度に忘...

奔放な天才肌二人の才能を世に出した少年の成長記「長崎の竹蜻蛉は誰よりも天高く」

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画像: 長崎の竹蜻蛉は誰よりも天高く|Amazon 少年ゆえの無鉄砲さが、激動の時代にあるべき生き方を模索していく 実在する人物が主人公 堀江鍬次郎という今の伊勢にあたる安濃津領から長崎に遊学に来た少年と、長崎の”問題児”こと上野彦馬の二人の友情の物語。鍬次郎の方は武士であり、「国の領主さまの役に立つ」ために長崎へと出港する。一方彦馬の方は武士ではない出自で、自由で天才肌ゆえに、世の不条理にも気づきやすい性格をしています。 お家のために蘭学を学べと口うるさい家族に反発し、自分の興味に従い 舎密学(今の化学)を追求しようとします。一方真面目臭い鍬次郎はというと、真面目で努力家であり細かいことにも気を配れる男でありながら、どこか彦馬と似た気風の領主、 藤堂高猷に惹かれ憧れています。 モチーフの使い方がうまい そんな鍬次郎と彦馬は 最初はことあるごとに対立 します。鍬次郎が古里から持ってきた(くすねてきた?)大事な父親の小刀を「長崎の鬼」である彦馬が奪い、そのことが鍬次郎にばれたときには鍬次郎は大層怒りました。 一方彦馬はといえば、 舎密学から知識を得て「 湿板写真」の現像に伝習所の講義をすっぽかして取り組んでおり、そのために牛の脳が必要ということで牛の頭を切り過ぎて(それほどエグイ描写はないはずなので大丈夫) 大事な鍬次郎の刀を刃毀れのボロボロに してしまっておりました。 しかし、鍬次郎は鍬次郎で奇しくも 彦馬と同じ写真術に興味が沸き 、世間の情勢から蘭学か兵器学を学ぶ人間が多いなか 舎密学に没頭していきます。 小刀というモチーフは、二人の別れのときに、女好きで鍬次郎の手を焼かせた彦馬の不器用な優しさを描いてもおり、全編通じて意味を成す小道具でした(ちょっぴりホロリとなります)。 そして題名にもある「竹とんぼ」。努力家で才能もある鍬次郎ですが、 舎密学に没頭しすぎて遊んでいる(?)のに試験の成績だけはめっぽういい天才肌の彦馬に触れるにつれ、「 彦馬の才能を世に出す 」ことに力を割くようになります。 飽きっぽい彦馬のために写真の準備と片付けを行い…… 彦馬のお母さんかよ ……(笑) そして後に長崎伝習所の教本にもなったという「 舎密局必携」という本を協力して書...

バディ小説大賞受賞の実力を見よ!「―空― 戦国あやかし恋華」

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画像: ー空ー戦国あやかし恋華|Amazon 天台宗の僧侶と神獣の牛「塩竈」が、美しい少女に秘められた悲しい陰謀を暴く キャラがたっており誰かを必ず好きになる 名高き神獣の子でありながら、神力で大きな仕事ができるわけでもなく、物に宿ったいわゆる「残留思念」のようなものを読みとることしかできないことを気に病むのは塩竈(しおがま)という名の牛である。 金槌ゆえ水の中を泳ぐことはできず、生に無頓着な相棒の僧侶:空穏(くおん)を心配するという役回り。 一方空穏はといえば、神獣を救ったことと引き換えに「病の根源が見える力」を授かり指圧で行く先々の病人を癒す旅人。般若心経の空即是色色即是空をよく引用し、人の人生をあってないような「空」であるとして自己犠牲をためらわない。 ここに書いたすべての要素が、クライマックスの感動に繋がる のは流石と言わざるをえません。ちなみに私は塩竈くん派です。 塩竈「ブモォ?」←起こしてしまったごめんね(笑) 予想外の黒幕とその動機が胸に迫る 湖に浮かぶ奇妙な怪異とそこから生まれた真っ白な少女を巡る謎を解き明かすというスタンスの本作、戦乱の時代ゆえの過酷な生活も描かれており、リアリティが胸に迫ります。 戦争などで夫を亡くした未亡人に慈悲を以て接する尼僧、患者の振りをして僧侶である空穏を誘惑する女、そのすべてが真相に深くかかわります。 主人公らに真摯に協力してきたあの人がまさか――!という衝撃、そしてその動機の切なさや。 怪異というものを扱う以上、王道の歴史小説とは言えないのでしょう。しかし、その分キャラ設定と物語で魅せてくるのは圧巻!子どもを持つ母親の皆さんは、恐らく 主人公サイドと敵サイドの両方に感情移入してしまう のではないでしょうか。 和風ゆるふわファンタジー、しかしちょっぴりミステリ要素もあり。そんな枠にはまらない「バディ小説」を、ぜひご覧ください!! サイト訪問者の皆さまへ ブログランキング参加中です。下のリンクをぽちっと投票お願いします(๑•̀ㅁ•́ฅ✧ 人気ブログランキング にほんブログ村

主人公「猫猫(マオマオ)」の筋の通った観察眼に脱帽『薬屋のひとりごと』

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画像引用: Amazon 商品ページ:「 薬屋のひとりごと 1-8巻 新品セット 」 後宮に拉致し連れてこられ息を潜めて生きていたが、持ち前の探求心でつい厄介事に巻き込まれてしまうお話 シンデレラストーリーではないという魅力 この物語の第一の魅力は主人公のキャラ設定にあると思います。 妓楼(ぎろう)のすぐ側の薬屋の主人を「おやじ」と呼ぶ主人公猫猫(マオマオ)は、 ある意味住まいの場所にそぐわないともいえる 豊富な薬の知識と教養を備えた「おやじ」の影響からか薬と毒物に関して 周りのものがドン引きしてしまうほど の興味と関心を持っています。自分の身体を実験台にして毒に慣らしたという逸話を持ち、豊富な薬品の並ぶ部屋では嬉しさのあまり、普段寡黙で不愛想な彼女が「奇妙な踊り」と評される不思議な動きをしてしまうほど。毒オタクとでもいうのでしょうか。対象物は違うが気持ちはわからなくもない。 一方、毒や薬以外のものにはまったく興味を示しません。宮中で有名な美貌を持つ宦官の前でも陶酔することなく下劣なものを見るような目をしてしまうことも多数で、他者が自分に対し重大な誤解をしていても日常に差し障りがないと思えばさらりと流してしまいます。 毒オタク、相当こじらせてます 。 そんな主人公が宮中という(主に人間関係などが)面倒極まりなく(彼女が)好むはずのない場所に来たのは勿論本人の意思ではありません。彼女は万が一帝のお手付きになる女性を輩出したいという商家の人攫いによって誘拐され連れてこられてしまうのです。 興味のベクトルが常人とは違う 兎角面倒事を嫌う彼女、万が一帝のお手付きになったら色々と面倒だからとそばかすをわざと作り目立たぬように仕事をこなして 二年の年季を何事もなく終えることを至上命題とします 。普通の女の子なら自分を着飾って帝の目に留まろうとするのでしょうが、なにせこの子は毒か薬かにしか興味がないもので。 そんな彼女ですが、つい、ほんの出来心で、 先帝の側室の呪いと噂された乳幼児連続不審死に興味を抱いてしまいます 。 つい、見にいってしまえば妃二人と医師が言い争っており……そこで、猫猫はすぐにことの真相を見抜いてしまいます。ネタバレしそうなのでこの辺で控えておきますが、その真相を誰かに...

青臭い思春期を青春と呼ぶのだろう「セパレイトブルー~青春水泳群像~」

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Follow @separate_blue15 作品URLはこちら [link:セパレイトブルー~青春水泳群像~] エロとサボりがお友達()の自称水泳部員の本気を見よ 実力がありながら水泳部の練習に全く参加してこなかった主人公駿と腐れ縁たちが、プールに戻る決意をしたのは、天野という美女が水泳部に入部してきたからだった。 不純極まりない動機でしか動かない坂東駿だったが、天野に意味深な反応をさせた田宮誠一というスイマーに完敗してから漢に目覚め、鬼監督とともに厳しい練習に明け暮れる。 青臭すぎてしょーもない、けれど誰もが一度は体験したはずの青春がここにあります! 男子の羨望の的のヒロイン、マズくて汚い(坂東談)行きつけのラーメン屋など、青春群像の王道を踏みながらのオリジナリティ溢れるストーリー 本当に男子高校生の脳みそのなかってこんなんなんだろうなって笑っちゃうこと必至(笑) 個人的には真面目系天然のナタリーがお気に入りです。 笑いあり涙ありのエブリスタ青春群像の金字塔を、ぜひこの機会にご覧あれ! 春瀬由衣 サイト訪問者の皆さまへ ブログランキング参加中です。下のリンクをぽちっと投票お願いします(๑•̀ㅁ•́ฅ✧ 人気ブログランキング にほんブログ村

【文フリ広島戦利品】幸せなまま死にたい少女と現実主義者の男の子「琥珀」

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画像: 津蔵坂あけびTwitter 琥珀になりたい――それは本心か、世迷い言か  今回ご紹介するのはTwitterでお世話になっている津倉坂あけびさんの同人誌です その名も「琥珀」 琥珀は 木の樹液が長い時間をかけて固まったもの です。その事実が作中ずっと読者の脳内に留まり続けます。 原因不明の伝染病:サスペクトパシーが新興の伝染病として認知されだした時代。身のまわりのすべてのものを疑い、医者の治療も拒否して最後には亡くなってしまうという恐ろしい病です。しかし主人公は初めそのニュースを どこか「他人事」として捉えます 。 一方主人公には千尋という同級生がいました。成績優秀で理系科目も文系科目も出来がよいのですが、一般的に数学ができる人は理系、のような括りに染まらずに彼女自身は文系を志しています。彼女は文芸部のようなものにも所属しており、自身の ”本能の発露”としての 詩を愛しています。 そんな彼女が、徐々におかしくなっていきます。 日常の連続性を極度に疑いだし、やがて自傷に走ります。 琥珀のなかで溺れ死んだ蟻のように幸せなままで死にたいと書いた詩を、駄作と断じます。自分の知らない自分を見つけられるから愛していたはずの、自分が書いた散文詩を否定する――それはある種 彼女自身の認めたくない自分 だったからではないでしょうか。 千尋はサスペクトパシーと診断されます。伝染病ゆえに彼女は隔離されます。そんな彼女に対し、主人公は一時「彼女が病気でよかった」と思います。彼女が変わってしまったことを自分の責任ではないと思いたかったからです。 ……めちゃくちゃ内容は重いですが、それゆえに釘づけになり、憑かれたように読み進めてしまいます。 主人公空太の失敗と成長、そしてそれを意に介さない病の無情、悲恋…… 文学フリマに初めて出向き購入した本作ですが、 とっってつもなくおススメしたい 作品です。 結末をぜひ見届けてください。 エブリスタでもウェブ版もあるようです→ 琥珀/エブリスタ 春瀬由衣 サイト訪問者の皆さまへ ブログランキング参加中です。下のリンクをぽちっと投票お願いします(๑•̀ㅁ•́ฅ✧ 人気ブログランキング にほんブログ村 ...