似たもの同士の戦場 「86―エイティシックス― Ep.3」
originally posted in 2018-8-5
えー、ハードなディストピアものの第3巻です。お待ちかねです。
えー、ハードなディストピアものの第3巻です。お待ちかねです。
以下ネタバレを含むのでご注意ください
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所感
読み進めるごとに、「重厚な人間劇を書かれる……実に重厚だ……」と思うほど、読み応えのある第3巻。案の定レギオンには苦戦を強いられ、共和国を彷彿させる無謀な作戦に彼らは従うことになる。
守るべきものも、帰るべき場所もないのに、何故。
そんな読むのが相変わらず辛い物語を読み終えて、読後のお楽しみの後書きに突入。
ワイ「なんだとおおおおおお」
作者曰く、2~3巻はプロットの段階では軽快なバトルものに過ぎなかったとか。
ワイ「どこにその面影があるんですか怒りますよ!」
そんな3巻です。ハイ。ハイ……
概要
帝国最後の女帝フレデリカと、エイティシックスのシン。2人は過去に囚われているという点で似通っており、それでいて少しだけ違う。
フレデリカには、レギオンに取り込まれたかつての騎士を討たなければならないという理由があった。しかし、シンは「兄を討つ」という生きる理由を果たしてしまっていた。その点シンはフレデリカの先を歩いているともいえる。
5年後に定められていた死を前に、誇り高く戦う。そうやって折り合いをつけることで筆舌に尽くしがたい荒涼とした世界を生きてきた彼らにとって、平和に長く生きることができる世界、は苦しい呪いに過ぎなかった。
無謀な行軍で討ち果たすべきは、生き残った人類の希望のすべてを射程に収めた要注意戦力。そしてくしくもそれは、フレデリカが愛した近衛兵の亡霊だった……。
絶体絶命のシンを救ったのは、幼い女帝とかつてのハンドラー。互いに死んだ者と思っていた2人が再会する。1巻の終わりに、やっと我々は追いついた。
好き……救いようのない世界好き……
4巻が楽しみですッ
春瀬由衣