自衛隊員の一般人とは少し違う、しかし切なさと愛しさは変わらない恋「クジラの彼」
originally posted in 2018-3-4
物書きの端くれとして題名が目を引く本を古本屋で探したときに見つけた短編集。空の中より始まる自衛隊ラブコメシリーズの一冊。
物書きの端くれとして題名が目を引く本を古本屋で探したときに見つけた短編集。空の中より始まる自衛隊ラブコメシリーズの一冊。
【おすすめポイント】
題名の付け方に迷っていたときに古本屋で見つけた一冊。著者はラブコメであることを題名に盛り込みたかったようだが、一人の読者を新規獲得できたのであながち悪い題名でもないと思う。
「空の中」「海の底」「塩の街」などの長編の世界観で書かれているらしい(勉強不足のためそれらは未読)が長編を読まないでも話は理解できる。しかし読んだ方が理解が深まるのも確かだろう。いつか読みたい。
今回はあえて「いち短編集」として読んでみた。
表題になっている「クジラの彼」しがない短大卒の女性が潜水艦乗りの男と付き合うことになる。その直接的な要因が言葉のセンスってところに痺れる。
ハルこと冬原春臣が初めて主人公の前で泣くことになった事件というのが前出の長編で出てくるのだろう。やはり読んだ方がよりハルの心情が理解できる。それでもハルが泣くときの描写が目に浮かぶように痛々しい。
他の短編も順次再読します<(_ _)>
春瀬由衣